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「美少女」 吉行淳之介

 ときおり彼の小説を読む。

 男女の関係を描く作品が多いが、その平明な文体と透明な質感は僕にとって心地いい。都会的な香りのする小説ではあるのだが何故かその街が具体的な映像をもって迫ってこなく、登場人物たちの関係によって成り立っているような空気のみを感じる。

 主人公の城田はある混血の女性が左のおしりに北斗七星と三日月の刺青をしていると酒の席で聞く。彼女が失踪してから彼の周囲の女性たちが内股に蜂の刺青をしていることから、その謎解きをすべく行動する。彼がたてた仮説は外れていて、僕が想像していたエンディングではなかったが、それなりに楽しめた本であった。 
# by charsuq | 2006-04-05 21:47 | 雑記 | Comments(0)

春が来て、HALIも届いた

 知人と彼の隣のスペースで出展されていた女性と三人で阪急東通の「美舟」という店でお好み焼きを食べながらビールを飲んでいました。
 憧れであった絨毯屋(カーペットディーラー)という仕事の一部を見せてもらったいい機会でした。知人たちは今回の催事「素晴らしき時代マーケット」はマーケティングの面でいい勉強になったとプラスの方向にとらえようとされていて、いろいろと思うところはあったのかもしれないがプロフェッショナルを感じました。

 雨の降る夜道をレインコートを着て自転車をこいで家につくと「HALI_ISSUE145」という絨毯やテキスタイル、イスラーム工芸の雑誌が届いていました。イギリスで出版されているのですがスイスから発送されているですね。送料が安いのかな。特集記事として「Tekke Main Carpet」が12頁にわたって組まれていました。いろいろとすることがある中で、しかも英語なので時間がかかる作業ですが、少しづつ読んでいきたい。

 様々な毛織物が紹介されていましたが、やはり僕はイラン東部~アフガニスタン西部に暮らすバローチ族(イランではバルーチという発音)や彼らの影響を受けたTimuri族などのものが特に好きなんだとあらためて感じました。

 決して安い本ではありませんが、なかなか日本で見る機会も資料もないので、勉強になります。昔のHALIはもっとよかったと知人は言いますが、僕はそれを知らないので今のものでも充分楽しい。バックナンバーはまとまったお金ができたら少しづつ買っていきたいな。
# by charsuq | 2006-04-04 23:52 | 絨毯 キリム | Comments(0)

Photo album 8 _ Hajjara , Yemen (1999)

 写真を見ていたらイエメンに行きたくなっちゃった。

 街並みも人々の雰囲気も素晴らしい国です。

 カートと呼ばれる葉はアンフェタミンが含まれていると言われ軽い覚醒作用がありますが、旧北イエメンの人たちはこれが大好きです。柔らかい葉を口に入れ噛むのですが、決して飲み込んだり吐き出したりせず、片方の頬の内側にしがんだカスをため込んでいきます。頬がぷっくりと膨れた男性たちは仕事もそっちのけでやっているのは素敵です。僕も楽しんでいましたが、いわゆる幻覚作用は感じませんでしたが、いつもはのんびりと寝るほうなのに、イエメンにいるときは睡眠時間が4時間ほどで充分だったことを思えば覚醒の作用は確かなんだろうな。

 痩せぎすで小柄ではあるが、顔つきがシャープな彼らはワンピースのガラベーヤと呼ばれる服にジャケットを着込んで、腰にはジャンビーアという半月刀をさしています。そんな雰囲気の人たちを眺めながら、写真のようなイエメン建築の街並みの中を歩いていると、タイムスリップしたようです。

 訪れて本当によかったと思った国でした。
Photo album 8 _ Hajjara , Yemen (1999)_f0057070_19535221.jpg

# by charsuq | 2006-04-03 20:49 | Photo album | Comments(0)


いつか また どこかで


by charsuq

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