蛇と櫛
吉野裕子さんの「山の神_易・五行と日本の原始蛇信仰」は興味深い本であった。蛇が世界各原始民族に崇拝されたのは祖霊・祖先神とみなされたからで、その理由は次の三つに帰せられるようだ。
1.外形が男根相似 (生命の源としての種の保持者)
2.脱皮により生命の更新 (永遠の生命体)
3.一撃にして敵を倒す毒の強さ (無敵の強さ)
この本の中で述べられていたのだが、自然物の見立てと同様に人間の手になる人工のものも「蛇」を秘めるものとして捉えられたようである。
箸と櫛、ミノとカサ、カカシ、箒。
古代の箸は一本の細い竹を曲げてたわめたものであったようで、櫛と同様にその形は男根の象徴(蛇の象徴)であったようだ。
ここで思い浮かんだのはキリムなどの文様としての「櫛」である。
「櫛の文様や五本の指は、邪悪なものから身を守るといわれ、お守りとしての意味が込められています。生命の誕生と幸せな結婚を守ってくれるシンボルです」という説明が『キリムのある素敵な暮らし』にある。
イスラーム世界で「櫛」が古代日本と同じように捉えられていたか知らないが、少なくとも「生命の誕生」「邪悪なものから身を守る」といった意味があるのであれば「蛇」と関係があるかもしれない。と、ここまで横滑りしているとエンシ(パルダー)のデザインは【邪視を避ける】ためのデザインであるような気がしてきた。
もう少しこれについて考えたいと思う。
1.外形が男根相似 (生命の源としての種の保持者)
2.脱皮により生命の更新 (永遠の生命体)
3.一撃にして敵を倒す毒の強さ (無敵の強さ)
この本の中で述べられていたのだが、自然物の見立てと同様に人間の手になる人工のものも「蛇」を秘めるものとして捉えられたようである。
箸と櫛、ミノとカサ、カカシ、箒。
古代の箸は一本の細い竹を曲げてたわめたものであったようで、櫛と同様にその形は男根の象徴(蛇の象徴)であったようだ。
ここで思い浮かんだのはキリムなどの文様としての「櫛」である。
「櫛の文様や五本の指は、邪悪なものから身を守るといわれ、お守りとしての意味が込められています。生命の誕生と幸せな結婚を守ってくれるシンボルです」という説明が『キリムのある素敵な暮らし』にある。
イスラーム世界で「櫛」が古代日本と同じように捉えられていたか知らないが、少なくとも「生命の誕生」「邪悪なものから身を守る」といった意味があるのであれば「蛇」と関係があるかもしれない。と、ここまで横滑りしているとエンシ(パルダー)のデザインは【邪視を避ける】ためのデザインであるような気がしてきた。
もう少しこれについて考えたいと思う。
by charsuq
| 2007-07-04 20:32
| 絨毯 キリム
|
Comments(2)
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caffetribe at 2007-07-11 20:36
蛇と信仰についての関わりとても興味深いですね。
こちらも吉野裕子さんの『蛇』日本の蛇信仰という本を引っ張り出して読み直しています。
その中に、『蛇巻き』というグロテスクな原始信仰(吉野さんからの引用)
が毎年磯城郡川東村大字鍵というところで行われているとあり・・・。
あれっ!と思いました。
そして最後に『磯城郡のこのあたりは蛇信仰の最も濃厚なところである』
と記されていて、う~んとうなりました。
こちらも吉野裕子さんの『蛇』日本の蛇信仰という本を引っ張り出して読み直しています。
その中に、『蛇巻き』というグロテスクな原始信仰(吉野さんからの引用)
が毎年磯城郡川東村大字鍵というところで行われているとあり・・・。
あれっ!と思いました。
そして最後に『磯城郡のこのあたりは蛇信仰の最も濃厚なところである』
と記されていて、う~んとうなりました。
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charsuq at 2007-07-11 21:25
この本はまだ読んでいないのですが、川東村というのは現在はなく田原本町に吸収されています。大安寺や為川(誰もわからないと思うが)あたりが川東村だったようです。母が田原本出身で聞いたところ蛇信仰については知りませんでしたが、近くなのでこれから調べようと思います。
いつか また どこかで
by charsuq
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2.写真の無断転載禁止。
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