トライバルラグに魅せられて
JON THOMPSON氏の『Carpet Magic』(『ORIENTAL CARPETS _ From the Tents , Cottages and Workshops of Asia』)の3章「TRIBAL WEAVINGS」をようやく読み終えた。
インターネットや百貨店の催事でよく「部族絨毯」という文字を見かけるが、それのほとんどは「部族風」の売るために織られたもののようであり、トライバルラグといってもピンとこない人が多いと思う。Tribeさんがその魅力を綴っておられるので、興味のある方はどうぞご覧ください。
GWの旅でカブールの絨毯商人から
「今のバローチやトルクメンのものもダメだよ」
という言葉を今回も聞いた。昔のもののような輝きは今のものにはないと彼らは言う。
僕はそれがどういうことなのか今までよくわからなかったけれど、J・トンプソン氏の本を読んで何となくわかってきた。部族社会において、女性たちは婚礼の際に多くの織物を織った。日常生活において自分たちが使い、家畜を飾るために織った。それは売るためのものではなく、自らが帰属するもののために懸命に織ったものである。彼らの伝統に支えられ、愛情たっぷりのものが時の経過でどうして色褪せようか。民族や伝統の違いを越えて、それらは僕に不思議な安らぎを与えてくれるのだ。
売るために織ることが悪いと言っているわけではないし、産業として新しく絨毯が織られ人々の生活が潤えばうれしい限りである。しかし、ひとつの「もの」として見た場合、どうしても両者に違いが感じられるのは、それに向き合う織り手の気持ちの違いによるものである気がする。
この本を読んで、また先週末に東京に行きTribeさんが扱っておられるものを拝見させていただいて、以前にもましてトライバルラグに魅せられている。
インターネットや百貨店の催事でよく「部族絨毯」という文字を見かけるが、それのほとんどは「部族風」の売るために織られたもののようであり、トライバルラグといってもピンとこない人が多いと思う。Tribeさんがその魅力を綴っておられるので、興味のある方はどうぞご覧ください。
GWの旅でカブールの絨毯商人から
「今のバローチやトルクメンのものもダメだよ」
という言葉を今回も聞いた。昔のもののような輝きは今のものにはないと彼らは言う。
僕はそれがどういうことなのか今までよくわからなかったけれど、J・トンプソン氏の本を読んで何となくわかってきた。部族社会において、女性たちは婚礼の際に多くの織物を織った。日常生活において自分たちが使い、家畜を飾るために織った。それは売るためのものではなく、自らが帰属するもののために懸命に織ったものである。彼らの伝統に支えられ、愛情たっぷりのものが時の経過でどうして色褪せようか。民族や伝統の違いを越えて、それらは僕に不思議な安らぎを与えてくれるのだ。
売るために織ることが悪いと言っているわけではないし、産業として新しく絨毯が織られ人々の生活が潤えばうれしい限りである。しかし、ひとつの「もの」として見た場合、どうしても両者に違いが感じられるのは、それに向き合う織り手の気持ちの違いによるものである気がする。
この本を読んで、また先週末に東京に行きTribeさんが扱っておられるものを拝見させていただいて、以前にもましてトライバルラグに魅せられている。
by charsuq
| 2006-08-02 23:22
| 絨毯 キリム
|
Comments(2)
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caffetribe at 2006-08-04 18:26
週末はもう少したくさん絨毯が見れると良かったですね。仰るとうりに織り手の気持ちの籠もったものには、何かが宿っていると思います。
JON THOMPSON氏もその辺りを終わりの方で解説していますが、部族じゅうたんにはまった者に共通な部分が見えてきましたね。今日はその辺りを含めて,「読む会」での訳をしてきますね。
JON THOMPSON氏もその辺りを終わりの方で解説していますが、部族じゅうたんにはまった者に共通な部分が見えてきましたね。今日はその辺りを含めて,「読む会」での訳をしてきますね。
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charsuq at 2006-08-04 22:31
残念といえば残念ですが、また東京に行く楽しみが残りました。
あのときSさんがおっしゃられた「この人たちは美しいものに囲まれて豊かな生活をしていた」という言葉には共感をおぼえました。それは僕が最近特に感じていたことで、次から次へといろいろなものが作られるが「美しさ」を実感できるものがほとんどなく、そんな効率優先のものの中で生活していると精神的におかしくなるんじゃないか、ということに繋がる気がしました。
ますますはまりつつあるトライバルな世界、またいろいろとお話を聞かせてくださいね。
あのときSさんがおっしゃられた「この人たちは美しいものに囲まれて豊かな生活をしていた」という言葉には共感をおぼえました。それは僕が最近特に感じていたことで、次から次へといろいろなものが作られるが「美しさ」を実感できるものがほとんどなく、そんな効率優先のものの中で生活していると精神的におかしくなるんじゃないか、ということに繋がる気がしました。
ますますはまりつつあるトライバルな世界、またいろいろとお話を聞かせてくださいね。
いつか また どこかで
by charsuq
トライバルラグの販売サイト
オールド・アンティークのトライバルラグ&テキスタイルを販売しています。非売品もあり、ほとんどは値段を表示していませんが、お気軽にお尋ねください。Gallery Forest
1.私へのメールはこちら。その際はタイトルに「旅と絨毯とアフガニスタン」の文字を入れてください。そうでなければ見ずに削除してしまうかもしれません。
2.写真の無断転載禁止。
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