「特別展 ペルシャ絨毯の世界」を訪れて 5
この展示会で国立民族学博物館所蔵のバローチ(バルーチ)の礼拝用絨毯が展示されていた。19世紀のものとされているのだが、僕はそれほど古いものとはどうしても思えなかった。
そもそもこれがバローチのものであるかどうかという疑問もあった。ただし、イラン東部からアフガン西部の部族・支族に関してはわかりにくいところも多々あるので、僕が間違っているのかもしれない。このデザインは「Tree of life(生命の木)」と呼ばれ、バローチ以外の民族のものでも見ることがある。この葉っぱの文様のオリジナルは確かにバローチのものであると思う。しかし、現在ヘラートを中心によく織られているのが「kawdani(カウダニ)」と呼ばれる絨毯で、写真のこれらとよく似ているのだ。カウダニの絨毯については後日あらためて書きたいと思う。
古いバローチ(バローチタイプ)の絨毯はそのデザインと色合いに引き込まれるものがある。思わず頬をすりよせ、匂いを嗅ぎたい衝動にかられる。誤解をしてもらっては困るのだが、僕はノーマルな人間であると思っている。ただ、美しいものに出会ったとき、愛しく感じたとき、素直にこうしたくなるのは誰しもそうではないだろうか。
ここにあったこの礼拝用絨毯はそのようなタイプではなく、「なんか違う」感じがしたのだ。このような展示会に出展されるクラスの絨毯でないと思った。僕はGWに素晴らしいバローチの礼拝用絨毯を数枚見た後だったから、ついそう感じたのかもしれないが。
【参考文献】
「特別展 ペルシャ絨毯の世界 図録」 広島県立美術館
(つづく?)
そもそもこれがバローチのものであるかどうかという疑問もあった。ただし、イラン東部からアフガン西部の部族・支族に関してはわかりにくいところも多々あるので、僕が間違っているのかもしれない。このデザインは「Tree of life(生命の木)」と呼ばれ、バローチ以外の民族のものでも見ることがある。この葉っぱの文様のオリジナルは確かにバローチのものであると思う。しかし、現在ヘラートを中心によく織られているのが「kawdani(カウダニ)」と呼ばれる絨毯で、写真のこれらとよく似ているのだ。カウダニの絨毯については後日あらためて書きたいと思う。
古いバローチ(バローチタイプ)の絨毯はそのデザインと色合いに引き込まれるものがある。思わず頬をすりよせ、匂いを嗅ぎたい衝動にかられる。誤解をしてもらっては困るのだが、僕はノーマルな人間であると思っている。ただ、美しいものに出会ったとき、愛しく感じたとき、素直にこうしたくなるのは誰しもそうではないだろうか。
ここにあったこの礼拝用絨毯はそのようなタイプではなく、「なんか違う」感じがしたのだ。このような展示会に出展されるクラスの絨毯でないと思った。僕はGWに素晴らしいバローチの礼拝用絨毯を数枚見た後だったから、ついそう感じたのかもしれないが。
【参考文献】
「特別展 ペルシャ絨毯の世界 図録」 広島県立美術館
(つづく?)
by charsuq
| 2006-06-28 22:04
| 絨毯 キリム
|
Comments(6)
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syedtrading
at 2006-06-29 12:17
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おぉ!この模様見たことあります!オーナーは『バラォッチ』(微妙?)みたいな発音で教えてくれました。このサイズの絨毯は礼拝用なんですね!勉強になりました。
重いので下の方にあるのは全然見た事がなくて…charsuqさんが見たら、すごい物があるのでしょうが、私は超初心者なもので…お恥ずかしい。匂いを嗅ぎたくなる位になれるよう頑張ります(^-^)
重いので下の方にあるのは全然見た事がなくて…charsuqさんが見たら、すごい物があるのでしょうが、私は超初心者なもので…お恥ずかしい。匂いを嗅ぎたくなる位になれるよう頑張ります(^-^)
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charsuq at 2006-06-29 21:34
『バラォッチ』とはおそらくバローチという民族のことでしょう。僕の経験ではパキスタンやアフガニスタンの人たちは「バローチ」、イランの人たちは「バルーチ」と発音しているようです。カタカナに置きかえると色々な書き方になってしまいますが、彼らはパキスタン・アフガニスタン・イラン国境周辺に暮らす人たちです。絨毯の呼び名は「民族・部族・支族」「集散地」「デザイン」などいろいろと言い方があり最初はそれが何を意味するのかなかなかわからないと思います。ゆっくりとオーナーに聞いたり調べたりしていってください(僕も勉強中の身ですが)。
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charsuq at 2006-06-29 21:40
補足します。このサイズの絨毯が「礼拝用」なのではなく、文様からそれが「礼拝用」であることがわかります。中央のデザインが凸になっていますよね。これはとがっている方を聖地・メッカの方向にして敷き礼拝をするのです。詳しくはまたいつか書きます。働いておられる店の中で特に価値の高そうなものがございましたら、ご自身のブログで紹介してくださいね。楽しみにしています。
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syedtrading
at 2006-06-30 13:51
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syedtrading
at 2006-06-30 14:08
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途中で送信しちゃいました。ごめんなさい。
続きです。
ただ、模様が綺麗よね~だけじゃ無く、お客様にちゃんと伝えていけるようになりたいです。
これからもよろしくお願いします。
あっ!charsuqさんも何かオーナーに質問があったら、言ってくださいね(^^)
続きです。
ただ、模様が綺麗よね~だけじゃ無く、お客様にちゃんと伝えていけるようになりたいです。
これからもよろしくお願いします。
あっ!charsuqさんも何かオーナーに質問があったら、言ってくださいね(^^)
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charsuq at 2006-06-30 21:47
何でもそうかもしれませんが、一生勉強だと思います。次から次とわからないことが出てくるし、その対象はだんだん広がってきます。ただ売るだけではなく、それ以降のこと、修復やクリーニング、メンテナンスに関しての知識とケアも必要になってくると思います。大変かもしれませんが、自分が学んだ分だけ「もの」に対しての理解と区別が生まれ、それを積み重ねていくとお客さんも「オーラ」を感じとってくれる気がします。「商い」は「飽きさせないこと」とも言われますが、そんな売り手になってくださいね。
いつか また どこかで
by charsuq
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オールド・アンティークのトライバルラグ&テキスタイルを販売しています。非売品もあり、ほとんどは値段を表示していませんが、お気軽にお尋ねください。Gallery Forest
1.私へのメールはこちら。その際はタイトルに「旅と絨毯とアフガニスタン」の文字を入れてください。そうでなければ見ずに削除してしまうかもしれません。
2.写真の無断転載禁止。
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