龍門山 2013.6.2
5月末に歩いた笹ヶ峰界隈ではシロヤシオの蕾が少なかった。ネットでは二年続けての不作の情報が流れている。6月の第一週は行者還岳界隈を歩こうと思っていたがクサタチバナの花期に延期し、昨年から気になっていたキイシモツケの花が咲く和歌山県紀の川市の龍門山行きを前日のふとんの中で決めた。
24号線を走る。下道で二時間はみていたが、自宅から1時間40分くらいで到着した。イワシモツケの変種で和歌山固有種のキイシモツケの群落がこの龍門山で見ることができる。絶滅危Ⅱ類に指定され、和歌山県の天然記念物になっていることもあり、この時期はたくさんの人でごったがえすと予想していた。そのため、駐車場地は登山口ではなく、紀の川周辺のオークワかふるさとセンターに車を停めようと考えていた。しかし、現地に到着すると、ええい先まで行っちゃえ、と橋を渡る。集落に入ると「ハイキング駐車場地500m」の看板があり、それに従った。保育園の横にある空き地に車を停めた。
のどかな里山の風景がある。草刈りをしていた若い夫婦の傍で6歳くらいの子供が三人遊んでいた。男の子が「こんにちは」とはにかみながら挨拶をしてくれた。「こんにちは」と微笑んで、挨拶を返した。このように始める山歩きが好きだ。
ヒルガオやツユクサが咲いていて、この辺りはすっかり夏の装いだ。照りつける陽にさらされ、汗をかきながら梅と柿の果樹園を見ながら標高をかせいでいく。ビワの木には実がつき、スイカズラは黄色と白色の花を咲かせている。ウツギの木が多く、清楚な白い花が美しい。
登りは田代峠コースをとる。登山道に入るとシライトソウが出迎えてくれた。枚方から来られたおばさん三人組がこの日出会った最初の登山者だった。ツビツビツビとシジュウカラが鳴く。アセビに似た花が総状花序につくのはネジキの木だ。低山ではあるが、標高差が700mほどあり、展望のない持続した登りにときにうんざりしながら歩いて行く。ホオノキの大木を過ぎるとなだらかな雑木の道になるが、ほどなくして杉と桧の林が10分ほど続いた。苦手な植生ではあったが、フタリシズカがたくさんあり、沢ガニ(?)がいて単調な道を少しは楽しませてくれた。
アカマツが多い山であり、田代峠に着くと「松茸山につき立ち入り禁止」との張り紙がいくつかあった。イヌガヤかな?モミではないことはわかるが樹種が特定できない。それが何本かあった。アカマツ林にはソヨゴ、コナラ、リョウブが多い。山頂が近付くにつれリョウブの比率は増した。リョウブの古名はハタツモリ(畑つ守)であり、古くは農具の柄などに用いられたようだ。ところどころにこのように樹木に説明があり勉強になる。山椒の木もあった。緩やかな登りにはキイシモツケの花がところどころで咲いていた。コデマリに似た花で、その愛らしさに小躍りしたくなる。わざわざ見に来てよかったと思った。登山道脇にはカキノハグサをいくつか見ることができた。磁石岩を過ぎ、人の声が聞こえるともう山頂は近い。
ギーギーとハルゼミがやかましい。ギャーギャーとオバゼミがやかましい^^。山頂のキイシモツケの花は満開であり、うす曇りではあるが紀の川の向こうには和泉の山々がはっきりと見える。8人と4人のパーティーがいたが、思ったほどの混雑ではなくほっとする。おばさん達がプシュっと缶ビールをあけ、会社のこと、息子のことなど同じ話を延々と繰り返している。静かに飯を食いたかったが、アウェイの山なのでいいランチ場を知らないのでここは我慢をする。会話のなかで「黄色のレジャーシートは虫が寄ってくるからね」という話は初めて聞いたな。
下山は中央コース。蛇紋腹の岩頭からの眺めは素晴らしかった。蛇行する紀の川が遠くに見え、眼下にはキイシモツケの群落が広がっていて、胸がすく思いだった。それから少し下ると明神岩と風穴がある。そこからも同じような眺めだが、ここはキイシモツケが少ない。そのかわりといってはなんだが、ホオノキがいくつかあり、花期は終わりに近づいているが、白い大きな花々を見ることができた。タイサンボクの花はいくつか見たが、ホオノキの花は今年は一輪しか見ることができなかったので、これはうれしかった♪
これからはあまりメモをしていないのでたいしたレポは書けない。オカタツナミソウの花、ネズの木は初めまして~です。ウラジロガシ、ツブラジイなどの常緑樹が多くなってくると登山口はもう近い。林道に出ると農作業をしているおばあちゃんが二人いた。農村のおばあちゃんのフォルムって素敵だ。この姿に僕は弱く、癒されまくる。林道に出合う頃に雨が降り出してきたが、空は明るく小雨が少しだけ降る程度の空模様だ。
750m程度の低山なので、大峰や台高のスケール感はないが、里山と花を楽しみ、この時期に来てよかったと思った。下山後は龍門山温泉に。700円とちと高いが、源泉かけ流しだから迷わない。かけ流しじゃなかったら、この値段だと「高っけえなあ」と思って、一人だと絶対行かないけどね。湯船に浸かっては出てを繰り返し、一時間以上も楽しんだ。やっぱり風呂はかけ流しに限るとあらためて思った一日でした。
【コースタイム】
駐車場地(9:40)~田代峠登山口(10:20)~田代峠(11:20)~龍門山(11:55~12:40)~中央コース登山口(13:45)~駐車場地(14:25)
24号線を走る。下道で二時間はみていたが、自宅から1時間40分くらいで到着した。イワシモツケの変種で和歌山固有種のキイシモツケの群落がこの龍門山で見ることができる。絶滅危Ⅱ類に指定され、和歌山県の天然記念物になっていることもあり、この時期はたくさんの人でごったがえすと予想していた。そのため、駐車場地は登山口ではなく、紀の川周辺のオークワかふるさとセンターに車を停めようと考えていた。しかし、現地に到着すると、ええい先まで行っちゃえ、と橋を渡る。集落に入ると「ハイキング駐車場地500m」の看板があり、それに従った。保育園の横にある空き地に車を停めた。
のどかな里山の風景がある。草刈りをしていた若い夫婦の傍で6歳くらいの子供が三人遊んでいた。男の子が「こんにちは」とはにかみながら挨拶をしてくれた。「こんにちは」と微笑んで、挨拶を返した。このように始める山歩きが好きだ。
ヒルガオやツユクサが咲いていて、この辺りはすっかり夏の装いだ。照りつける陽にさらされ、汗をかきながら梅と柿の果樹園を見ながら標高をかせいでいく。ビワの木には実がつき、スイカズラは黄色と白色の花を咲かせている。ウツギの木が多く、清楚な白い花が美しい。
登りは田代峠コースをとる。登山道に入るとシライトソウが出迎えてくれた。枚方から来られたおばさん三人組がこの日出会った最初の登山者だった。ツビツビツビとシジュウカラが鳴く。アセビに似た花が総状花序につくのはネジキの木だ。低山ではあるが、標高差が700mほどあり、展望のない持続した登りにときにうんざりしながら歩いて行く。ホオノキの大木を過ぎるとなだらかな雑木の道になるが、ほどなくして杉と桧の林が10分ほど続いた。苦手な植生ではあったが、フタリシズカがたくさんあり、沢ガニ(?)がいて単調な道を少しは楽しませてくれた。
アカマツが多い山であり、田代峠に着くと「松茸山につき立ち入り禁止」との張り紙がいくつかあった。イヌガヤかな?モミではないことはわかるが樹種が特定できない。それが何本かあった。アカマツ林にはソヨゴ、コナラ、リョウブが多い。山頂が近付くにつれリョウブの比率は増した。リョウブの古名はハタツモリ(畑つ守)であり、古くは農具の柄などに用いられたようだ。ところどころにこのように樹木に説明があり勉強になる。山椒の木もあった。緩やかな登りにはキイシモツケの花がところどころで咲いていた。コデマリに似た花で、その愛らしさに小躍りしたくなる。わざわざ見に来てよかったと思った。登山道脇にはカキノハグサをいくつか見ることができた。磁石岩を過ぎ、人の声が聞こえるともう山頂は近い。
ギーギーとハルゼミがやかましい。ギャーギャーとオバゼミがやかましい^^。山頂のキイシモツケの花は満開であり、うす曇りではあるが紀の川の向こうには和泉の山々がはっきりと見える。8人と4人のパーティーがいたが、思ったほどの混雑ではなくほっとする。おばさん達がプシュっと缶ビールをあけ、会社のこと、息子のことなど同じ話を延々と繰り返している。静かに飯を食いたかったが、アウェイの山なのでいいランチ場を知らないのでここは我慢をする。会話のなかで「黄色のレジャーシートは虫が寄ってくるからね」という話は初めて聞いたな。
下山は中央コース。蛇紋腹の岩頭からの眺めは素晴らしかった。蛇行する紀の川が遠くに見え、眼下にはキイシモツケの群落が広がっていて、胸がすく思いだった。それから少し下ると明神岩と風穴がある。そこからも同じような眺めだが、ここはキイシモツケが少ない。そのかわりといってはなんだが、ホオノキがいくつかあり、花期は終わりに近づいているが、白い大きな花々を見ることができた。タイサンボクの花はいくつか見たが、ホオノキの花は今年は一輪しか見ることができなかったので、これはうれしかった♪
これからはあまりメモをしていないのでたいしたレポは書けない。オカタツナミソウの花、ネズの木は初めまして~です。ウラジロガシ、ツブラジイなどの常緑樹が多くなってくると登山口はもう近い。林道に出ると農作業をしているおばあちゃんが二人いた。農村のおばあちゃんのフォルムって素敵だ。この姿に僕は弱く、癒されまくる。林道に出合う頃に雨が降り出してきたが、空は明るく小雨が少しだけ降る程度の空模様だ。
750m程度の低山なので、大峰や台高のスケール感はないが、里山と花を楽しみ、この時期に来てよかったと思った。下山後は龍門山温泉に。700円とちと高いが、源泉かけ流しだから迷わない。かけ流しじゃなかったら、この値段だと「高っけえなあ」と思って、一人だと絶対行かないけどね。湯船に浸かっては出てを繰り返し、一時間以上も楽しんだ。やっぱり風呂はかけ流しに限るとあらためて思った一日でした。
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by charsuq
| 2013-06-03 21:17
| 登山 近畿その他
|
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by charsuq
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オールド・アンティークのトライバルラグ&テキスタイルを販売しています。非売品もあり、ほとんどは値段を表示していませんが、お気軽にお尋ねください。Gallery Forest
1.私へのメールはこちら。その際はタイトルに「旅と絨毯とアフガニスタン」の文字を入れてください。そうでなければ見ずに削除してしまうかもしれません。
2.写真の無断転載禁止。
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