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山上ヶ岳 2012.8.8

久しぶりに山上ヶ岳に行こうかと思うが、人の多いときは嫌だなあ。閉戸式のあとでもいいが、その頃には行きたい山がたくさんあるしー、ということで平日に行くことにした。8月第1週の土日は鳥取出張でさっぱりな週末・・・。代休を取得し、出かけることにした。
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レンゲ坂谷は今日もひとけがなく、誰にも会わない。1ヶ月前はエゾハルゼミの鳴き声がうるさいくらいだったが、今日は静かだ。沢音も小さいぞ。谷沿いのこのコースは頭上を見上げれば、空が見えるが、薄暗い。初めて歩いたときは緊張したが、この雰囲気にはもう慣れた。
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沢音がさらに小さくなり、レンゲ辻まであと40分くらいかというところで大きなカエルが登山道にいた。僕の姿を見て慌てて逃げるが、逃げる方向は谷しかなく、ころころと転がっていった。まあ、死なんやろ。谷の上部は羊歯が生い茂り、植生はミズナラ、オオイタヤメイゲツのほかにウリハダカエデもあった。レンゲ辻までもうすぐのところで登山道に黒く細長い糞がいくつかあった。クマ?僕は糞の主を特定できないが、これからは注意して見よう。
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振り返ると岩屋峰から大天井ヶ岳の稜線がくっきりと見える。今年の2月の寒波のときにあそこを歩いたんだなあ。感慨深く、しばし佇む。レンゲ辻には親子二人が休憩していた。子供は小学生3年生くらいだろうか。山上ヶ岳に向かう僕、レンゲ坂谷に下る彼ら。「バイバーイ」との声に、「バイバーイ」とかえす。
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ピーヒョロロロー。トンビが空を舞う。近くの大日山、稲村ヶ岳の左手奥に聖宝谷の爪痕が見える。久しぶりの大展望に呆然とするが、これもしばらくすると飽きてくるんだ。不思議。シモツケソウかな?ところどころに咲く花に癒される。ピーカンだが、今日は湿度が低く、ときおり風が吹き、あまり汗をかかない。膝丈まであるミヤコザサに覆われた道を登りきるとお花畑への分岐に出た。
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有名な、お花のない「お花畑」。このあたりで昼食をと思っていたが、日陰が少なく、湧出岩から大峯山寺に下り降りて、そこで昼食とした。本堂から出てきた若いお坊さんに「登山者の方にこんなことを言うのはなんなんですが。ここは聖なる場所で(と言ったか忘れたけど、そのような意味のことだった)、飲食、喫煙は禁止されているんです。入り口にも「身口意三業を整え参入召されよ」と書いていたでしょ。今回は仕方ないですが、次回から気をつけてください」と諭された。
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バツが悪くなった僕は山寺の敷地を外れた登山道に移動した。ああ、ここのほうがいいや。のんびりとご飯を食べていると高校生か大学生の男子5人が近くにやってきた。一人がみんなにつつかれている。もしかしてヤッホーって言っちゃうの?と期待していると、「ミホー!」だって。愛してるよーをおじさんは期待していたが、それはなかった。がくっ。
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そして彼らは行場である「西の覗」で命綱のロープで固定され岩壁から吊り下げられていた。リアクションにまだ幼さが残る彼らをほほえましく思いながら、僕は先に下る。今日会ったのは15人もいない。開戸の時期ではこれは少ない。いつも「よう、お参り」と何度繰り返さんとあかんねん、と思うほどだが、今日は数回口にしただけだった。そして、洞辻茶屋を過ぎればもう誰にも会わない。
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去年歩いたときは天気が悪く、「えっ!?こんなところを下るの?」と少しびびった蛇腹の鎖場も今日は楽勝。そしてそれを過ぎれば、ブナが美しい道が続いた。今宿跡界隈のブナ林は素晴らしかった。台高のどこかを歩いているような錯覚におちいった。15分くらい続いただろうか。至福の時間はあっという間に過ぎ、鍋担ぎ行者を過ぎれば植林の情緒のない道が続いた。あ~あ、終わっちゃったな、今日の山歩きは。
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もう何の楽しみもないと思っていたが、五番関手前で赤いトマトのかたちをしたキノコを見つけた。キノコについても知りたいと思っているが、帰宅後調べると「タマゴダケ」のようだ。毒性のあるベニテングダケと似ているが、こちらは食することができ、美味しいらしい。ツキヨタケにあたったという人の話と中沢新一の「カイエ・ソバージュ」に書かれてあった「北方ユーラシアでベニテングダケはシャーマンの儀式に使われた」という話を思い出した。
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【コースタイム】
ゲマタ大橋(9:30)~レンゲ辻(11:25-30)~大峰山寺(12:10-35)~洞辻茶屋(13:20)~五番関(14:40)~ゲマタ大橋(15:15)
by charsuq | 2012-08-14 19:36 | 登山 大峰山系 | Comments(0)


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