チェイシング・アフガン その4

■ヘラート(アフガニスタン) / 2005.5.1

 彼がラピスラズリのようだと表現した青いバローチ族の絨毯の美しさに息をのんだが「2500ドル」というその値段にも驚いた。壁にかかってある同じような文様、大きさの黒い絨毯がその三分の一くらいの値段を提示していたので、僕は交渉することさえ断念したが、未練を残す一枚であった。
 他に気に入ったのは「アオジィ・デザイン(※1)」の水が流れるような文様のもので、ファラー州のバローチ族の絨毯だった。ブルーとパープルの配色がよく、感じのいいもので、値段を聞いてもそれほど高くはなかった。

 また、タイマニ族のおおらかな小さなジャイ・ナマーズ(礼拝用絨毯)もよかった。彼らが真摯な想いで礼拝を繰り返していたことを感じるからか、理由はよくわからないが僕は礼拝用絨毯が好きなのだ。ヘラート州・ファラー州・ゴール州の三州にまたがる地域で織られた約100年くらい前のものと彼は言っていたが、僕はまだ出会ったことがないタイマニ族に想いをはせ、その絨毯の匂いをかぎ、その肌触りを楽しんだ。「タイマニの他のものはないの?」と聞いたところ、こんなんがあるよ、といって見せてくれたのは車や道路、山やビルといった子どもが書きそうな絵をそのまま絨毯にしたもの(※2)だった。彼らの感性によるものか、市場を反映してのものかは判断できなかったが、それは僕の好みではなかった。

 それから彼といろいろと話しをしていて「今まで見せてくれたクラスの絨毯はこれからも何枚も手に入るのですか?」と尋ねてみた。「そうだな、我々にはパートナーがいて彼らが各地で探しているのだが、それほど多くは手に入らないんじゃないか」と語っていたのを聞いてアジアのラストフロンティアの感があるアフガニスタンにおいてさえ、そういう状況なんだと改めて思い知らされた。

 おそらくこの店で購入することになるだろう、と感じたがヘラートで最初に入った店であり他の店も見てみたかったので、この日は何も買わないでおこうと思った。「いろいろと見せてくれてありがとう。また明日きます」と言って店主に挨拶したら、彼はうなずいてにっこり笑ったのだ。あの絨毯はいくらだったら買うんだ、と言って引きとめもせず、お前はどうせこの店に戻ってくるだろうからといった余裕すら感じられた。

※1 : 「ORIENTAL RUGS Volume3 The Carpets of AFGHANISTAN」の142頁には「In Dari , the Persian word ab (water) is pronounced ow . Thus the owzi design can be translated as the ‘water-like’ or ‘pool’ design」とある。ただダリ語で「水のような」というのは「アビィ」となるはずだが、、、。アラビア語の「池、プール」を意味する「ハウズ」の単語と混ざり合ってこのような表現になったのか?「ハオジィ」というのが正しいのか?よくわからない

※2 : インターネットでそれに似たものを検索

(つづく)
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# by charsuq | 2006-04-07 20:41 | | Comments(2)

じゃらんじゃらん 6 _ 大阪(桜ノ宮~鶴橋) 2006.4.6

 いつもは環状線内回りを利用して帰るのであるが、今日は外回りの電車に乗ってみた。
「次は桜ノ宮、桜ノ宮」
書物に注ぎ込んでいた目を上げて窓の外を見ると堂島川沿いに桜がきれいに咲きそろっていた。胸がざわついて僕は思わず電車を降りた。

 写真を撮る人、花見をする人、ただただ歩く人、いろいろな人が桜を見るためにこの川沿いに集まっていた。
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 「よっ!大赤字の会社の社長!ご立派!まあ今日は呑みましょう」
というサラリーマンの声が聞こえた。
 日経平均が上昇し続けている今の日本を反映してか、誰もがふわふわしているように思えた。そういう僕も最近は何かと遊びほうけているのだが・・・。
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 向こうに大阪城が見えたのでそこまで歩こうと思って川沿いを歩いたが辿りついたのは天満であった。そこから大阪城まで歩き外堀を一周して森ノ宮、玉造、鶴橋まで歩いてしまった。他の人より歩くのは速いほうであるが、写真を撮ったり立ち止まったりしている時間も含めて2時間半ほど歩いていたことになる。
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 そうだ、今週の日曜日は桜花賞だと思い出したが、どうせその時間にはテレビの前にも場外馬券場の近くにもいないだろう。桜ついでだが、関東の桜餅は関西のものと違うと知ったのはつい最近であった。関東風のものは美味しいんやろか。
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 家に帰って日本酒を熱燗で飲みながら、イカの天ぷら、かつおのたたき、新子とめかぶ、ひじき、手羽のトウバンジャン煮、ワサビ漬け、ふきのとうの醤油漬けをいただいた。
 いろいろと忙しく酒を買いに行く時間がなく(大阪から一升瓶を抱えて帰るのも面倒なので)、親に銘柄をしていせず頼んでおいたところ、熊本の純米酒「美少年」を買ってきてくれた。先日読んだ本が「美少女」であったのは偶然なのだが、「美少年」と「美少女」という普段あまり口にせず耳にしない言葉に新入社員たちが初々しい春の新鮮さを感じたのだった。
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# by charsuq | 2006-04-06 22:42 | じゃらんじゃらん | Comments(0)

特別展 ペルシャ絨毯の世界 ~広島県立美術館~

 メールで既に知っていたのですが、知人の催事で「特別展 ペルシャ絨毯の世界」のちらしをいただいた。
 先日まで見ていたトライバル・ラグとは対極にある宮廷文化を代表する華やかな絨毯約70点が広島県立美術館で4月25日~6月4日まで見ることができる。
 重要文化財や重要有形民俗文化財を含め貴重なものをまとまって見る機会はこれからそうないと思うので、行ってみようかという気になっている。

 知人より事前に申し込んでおけば赤穂で絨毯織りの体験ができるという話を聞いて、帰りに赤穂に立ち寄るのも悪くないとも思う。

 展示会に行くのはおそらく5月下旬になると思うが、久しぶりに知らない土地を歩くということに早くもわくわくしている。
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# by charsuq | 2006-04-05 22:06 | 絨毯 キリム | Comments(0)


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