カテゴリ:My collection( 28 )

162 ヘリーズ(?)の絨毯

現地のディーラーはへリーズ産の絨毯をカットしたものだと言っていました。へリーズはイラン北西部のアゼルバイジャン州にある町です。

キリムエンドの処理や文様などからワギレ(柄見本)だったかもしれません。都市工房では意匠紙が用いられることがありますが、ワギレと呼ばれる柄見本をもとに織り手は絨毯を織ることがあります。何種類かのデザインが不規則に織り込まれているものが多く、その文様をまねながら一枚の絨毯を織るのです。

不思議な文様の組み合わせですが、蓮華紋を中心にバランスのとれた美しい小さな絨毯です。

サイズ:48x56cm
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by charsuq | 2017-07-23 07:24 | My collection | Comments(0)

106 トルクメン族のサドルバッグ

アフガン北部に暮らすトルクメン族のサドルバッグ(鞍掛け袋)。
マーケットに出回っているサドルバッグは西部のバルーチ族と比べてトルクメン族のものは少量です。

中央に描かれた文様はスレイマン氏族の古い絨毯に時折見られます。フィールドの四隅には頂点に白色を用いた八角星が配されています。外側のボーダーはメインラグのフィールドやボーダーによく見られる三角形に菱形を載せた文様の組み合わせ、内側のボーダーは“sarkhalka”と呼ばれる文様が描かれています。

底は白と黒の市松文様、中央のキリムはトルクメンのサドルバッグによく用いられる矢印の連続文様。

袋留めはスリットに紐を通して結ぶ構造ではなく、袋の両側に組み付けられた紐同士を結んでいきますが、他の部族よりも紐の量が多く結ぶのに時間がかかりそうです。紐、セルベッジ(耳)とも羊毛が使われています。

セルベッジの糸のほつれ、裏の白地の汚れ、文字が書き込みがあり、状態は完璧ではありませんが、パイル部などは目立った傷みはありません。

織られたのは1960年前後と思われます。

サイズ:56x102cm
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by charsuq | 2017-07-15 12:32 | My collection | Comments(0)

009 アフガニスタン西部の絨毯

2017年の展示会に久しぶりに持っていきましたが、存在感のある美しい絨毯ですね。

この絨毯は2005年にヘラートで買ってから陸路でカンダハール、クエッタまで持ち運んだ思い出の絨毯です。舗装されていない道をヘラート、ファラー、ヘルマンドを通ってカンダハールに着き、そこで数日を過ごしたのちスピンボルダックをこえてパキスタン領内に入ったとき「ああ、助かった!」と思わず言葉が出てしまいました。そのときの旅が過酷だったのか、カラチの空港に着いたときはふらふらで、荷物検査では「お前、なんだ!こんな重い荷物は!開けて説明せえ!」と言われましたが、もう話す気力もなくその場でしゃがみ込んでしまい医者を呼んでもらうはめになりながらも担いで持って帰った1枚なのです。

この絨毯を現地の絨毯商人たちは「ムシュワニ」と呼びます。それは織り手が属する部族の名前なのですが、波のような文様でシックな色調の毛織物が多いです。これを「蛸唐草」と言う人がいましたが、日本人にとっても不思議と落ち着く文様だと思います。バルーチ族はバルーチ語(とブラフィー語)を話す人たちの部族連合だと言われていますが、ムシュワニ、バールリ、テイムリーなどの部族もそのひとつです。

この波のような文様はジェームズ・オピエ氏が自著で述べている「動物の頭」がかたちを変えていったものではないかと私は考えています。ザボールの絨毯には「動物の頭」のかたちがうかがえますが、角がとれて丸くなっていったように感じるのです。これは想像でしかないのですが、いろいろな地域のトライバルラグを知るにつれそんなことを思うようになっています。

爬虫類学者でバローチ絨毯の愛好家であるジェリー・アンダーソン氏は「ムシュワニはハザール・ハーン国(7世紀から10世紀にかけてコーカサス北部で繁栄した騎馬民族国家)の崩壊後にコーカサス地方からやってきた」と述べています。その真偽についてはわかりませんが、バルーチ族のあるグループは西のほうから移動してきたと言われます。

この絨毯はアフガニスタン西部のファラー州またはヘラート州南部で織られたものでしょう。わりと古いものでおそらく1940年前後かもう少し前のものかもしれません。黒色のパイルは他のそれに比べて短くなっているところが多く、一部はほとんどパイルがないくらい短いところがあります。おそらく染めるときに鉄を媒染剤として使ったため繊維が劣化しやすくなっているのでしょうね。青と紫が天然染料かはわかりませんが、とても美しい色合いです。フリンジ部は片側はオリジナルで残っていますが、もう一方は残念ながらありません。また黒いしみのようなものが一箇所あります。それでも古い絨毯のわりにはコンディションはよくパイルも長く残っていますしとても気持ちいい肌触りです。

サイズ:129x284cm
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by charsuq | 2017-07-10 21:22 | My collection | Comments(0)

121 クルド族のジャジム

イラン北東部に暮らすクルド族のジャジム。個人的に集めている毛織物のひとつです。

風呂敷、テント内の布団隠し、敷物など多目的に使われ、染められた経糸が細く、修理が難しいため、状態よく残っているものは少ないです。

3枚目、4枚目の写真のように糸のほつれは何か所かあり、光が透けて見えます。平織りと経糸紋織りの技法が使われています。すべて天然染料が使われていると思われ、派手さはなく控えめな文様と落ち着いた色合いが美しい一枚です。

サイズ:42x72cm
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by charsuq | 2017-07-02 11:59 | My collection | Comments(0)

265 アフガン西部のチャンテ

アフガニスタン北西部に暮らす部族によって織られた毛織物であることはわかるのですが、部族の特定はできません。

派手さはありませんが、落ち着いた茶色と胡桃色。下側の茶色は黄みがかっています。それに何よりもこの地域特有の心安らぐ青色が効果的に使われています。

キリムエンドの文様は可愛らしく、二色の刺繍はセンス良く配されています。

裏面の平織と緯糸紋織りのキリムのデザインは緻密ではありませんが、何とも言えない味わいがあります。

毛足は短めですがほぼ均一に残っています。袋の底の緯糸はわずかに抜けており、表と裏をつなぐ山羊の毛も左側上部においてほつれがあります。それ以外は目立った傷みはなく、コンディションはいい一品です。

サイズ:44x45cm
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by charsuq | 2017-06-26 22:46 | My collection | Comments(0)

147 クルド族のジャジム

イラン北東部に暮らすクルド族のジャジム。個人的に集めている毛織物のひとつです。

風呂敷、テント内の布団隠し、敷物など多目的に使われ、染められた経糸が細く、修理が難しいため、状態よく残っているものは少ないです。

二枚目の写真のように糸のほつれは何か所かあり、光が透けて見えますが、とりわけ大きな穴はあいていません。すべて天然染料が使われていると思われ、落ち着いた色合いが美しい一枚です。

サイズ:36x73cm
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by charsuq | 2017-06-19 19:06 | My collection | Comments(0)

165 シャーセヴァン族のマフラッシュ・パネル

イラン北西部からコーカサス南部に暮らすシャーセヴァン族のマフラッシュと呼ばれる箱型の袋物の一面です。

写真2枚目のように一部異なる文様が織り込まれていますが、全面に展開する六角形の中に描かれる文様は微妙に違いがあり、見ていて飽きません。

赤地、青字の中にも部分的にアクセントのように用いられる水平方向の縞、メインモチーフの中で使われる異なる色は何とも言えない味わいがあります。

スリットのあるタペストリー織りの技法が用いられ、すべて天然染料が使われていると思います。

織られたのは1930年前後と思いますが、もう少し古いものかもしれません。

部分的に修理はしていると思いますが、一見してほとんどわかりません。写真2枚目の右端のようにわずかに汚れの付着はありますが、状態はいいほうだと思います。

サイズ:42x118cm(房除く)
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by charsuq | 2017-06-15 20:35 | My collection | Comments(0)

124 ブラフィー族のキリム

パキスタン南西部のバロチスターン州に暮らすブラフィー族のキリム。
政治的、経済的な弱者であり、売るために織ることがほとんどない彼らの毛織物は素朴ですが、他の部族とは趣きの異なる魅力があります。

オリジナルは長かったと思われますが、状態のいい部分のみカットされ、緯糸が抜けないよう両端はきちんとかがられて、マーケットに出てきました。
絨毯屋が集まるビルで店舗を持てず、通路で商いを営んでいるディーラーの絨毯の山の中から選びました。

裏のほうが濃い色なので、表は色褪せていますが、やさしい色合いが心を和ませます。
上下に展開する星のような文様は可愛らしく、中央に描かれたダイアモンドは濃い緑色と白色の配色が美しい。右側は中央の緑色の文様がなく、左側は白色の一線がありません。そして、その左横には左右に開かれた鋸歯文様とその間に配列された小さなドットに思わず笑みがこぼれます。

カットピースですが、ブラフィー族の愛らしい一枚です。

サイズ:45x32cm
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by charsuq | 2017-06-07 20:14 | My collection | Comments(0)

110 バルーチ族のバーリシト

イラン北東部のホラサーン州に暮らすバルーチ族のバーリシト。

表はパイルの両端に紋織りのキリム、裏は開口部付近はストライプの平織りと赤のグラデーションが美しい無地のキリムで、両サイドは一部修理のため羊毛が使われていますが、ほとんどが山羊の毛で綺麗にかがられています。

メインモチーフとして描かれているデザインは“sarkhalka”と呼ばれ、トルクメン族や中央アジアの他部族の毛織物のセカンダリー・ボーダーに見られます。

使われている赤色にも濃淡があり、その間にはめ込まれた白地の縞は全体を大変明るい雰囲気にしています。
パイルは均一に残っており、非常になめらかです。

キリム部分はわずかに経糸と緯糸が切れていますが、状態はいいほうだと思います。
それほど古いものではなく、1940年前後に織られたものだと思います。

サイズ:54x91cm
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by charsuq | 2017-06-03 14:12 | My collection | Comments(0)

198 タイマニ族のサドルバッグ

アフガニスタン西部に暮らすタイマニ族。

この地域の部族やバルーチ族の一部は鮮やかなオレンジ色を好みますが、タイマニの毛織物によく見られる退色したような紫色と薄緑色に爽やかな青色と白色が効果的に配色されています。文様はゆるやかですが、それが魅力でもあります。

口留め部分と袋の底は紋織の技法が使われ、菱形の各頂点に三角形が2つずつ付いている小さな可愛らしい文様が配置されています。それ以外は平織りです。

袋表と裏は白と黒の糸で綺麗にかがられていますが、中央部分は切れてしまっており、それ以外も少しですが糸のほつれはあります(写真4枚目)。白と茶色の糸がねじられた口留め用の紐もセンスがいいですが、端の1つは切れています。

状態は完璧ではありませんが、タイマニ族の魅力が味わえるサドルバッグです。
1950年前後に織られたものと思います。

サイズ:56x104cm
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by charsuq | 2017-05-21 14:05 | My collection | Comments(0)


いつか また どこかで


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