カテゴリ:染織と民族衣装( 38 )

展示会情報「騎馬の民・トルクメン人の世界―装身具と民族衣装」

過去に書いた記事を読んでくださった広島県立美術館学芸員の福田浩子さんからメールをいただきました。12月25日まで同美術館で下記の所蔵作品展が開催されていますので、ご紹介致します。

「騎馬の民・トルクメン人の世界―装身具と民族衣装」
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by charsuq | 2011-11-14 22:24 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

島から縞へ その2

去年、東京に遊びに行ったときに「日本民藝館」を訪れました。展示品はそれぞれよかったのですが、それ以上に僕は展示のしかたが気に入りました。モノはその空間によっていかされるのでしょうか、暑い日でしたが胸のなかをさあ~っと風が吹きぬけるような爽やかさを感じました。展示品に説明がなかったのもよかったのでしょうね。

そのときに沖縄の縞物もあったような気がします。素材と配色については忘れてしまいましたが、それぞれの色がその色を強調するのではなく、気持ちいいほど調和されている、と思ったものでした。初代館長の柳宗悦氏は著書「茶と美」で縞について次のように述べています。

*


「どこの国でも作らない所はない。だが醜いものにほとんど出遭ったことがないのは何の故か。たとえ出鱈目でも法の下で織るからである。自我を出す余地が少ないからである。ほとんどすべてが救われるのはそのためだといっていい。縞ものは危険の少ない道だといえる。だから美しいものが多いのである。見厭きないのである。名物裂に縞ものが多いのは当然である。否、まだ少な過ぎる。新名物裂を選ぶとしたら、私は無銘の一番ありふれたこの縞ものの中から、容易に少なからぬ数を拾い上げることができよう。縞ものの美はもっと高く買われていい。自然が味方するものには美しさが濃い。法に護られているから確かである。」

*


と、たたみかける独特の文章ですが、なるほどなあと思うことがあります。僕が見た縞の毛織物では時代の影響でしょうか、「醜いものにほとんど出遭ったことがない」というわけではありませんでしたが、それでも「危険の少ない道」だということは感じました。「自我を出す余地が少ない」ものは特に日本人が好む世界ではないでしょうか。文様に込められたスピリットの世界と縞が同居するものも含めて、ささやかな品数ではありますが、僕が集めた縞物をご覧ください。
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by charsuq | 2010-11-19 23:02 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

島から縞へ その1

この記事は別サイトに書いたことがありますが、ご覧になっていないかたもおられると思いますので、こちらのブログでも投稿しておきます。

「島から縞へ」

2年前から沖縄の離島に行くようになったのですが、ちょうどその頃から「縞物」が好きになりはじめました(島に行くようになったから、縞が好きになったわけではなく、たまたま時期が重なっただけでしたが)。縞(シマ)はシマウマのイメージが強かったので、島(シマ)との結びつきを意識したことがなかったのですが、よく立ち寄る大阪の古本屋で買い求めた鶴岡真弓さんの「装飾する魂」を読み、「縞は島渡り」のことであることを知りました。

その本に書かれていることを一部引用しましょう。

*


室町時代から江戸時代を通じて珍重された「縞物」は、中国・明の船や南蛮船で運ばれてきた渡来の織物だった。「縞」とは「島」、つまり島渡り(舶来品)のことで、中世日本では「筋」や「隔子」と呼ばれていた平行線や格子の文様が、そのときから新しい名を得たのである。漢語の「縞」とはもともと「練絹(白絹)」のことであって中国ではこの種の文様を「柳条/条布/間布」と呼ぶ。
地色と異なる色糸を入れて平織するだけで得られる縞柄の素朴な織物はむろん「縞」以前の日本にもあった。上代には中国・朝鮮からの外来織物とは別に「綺(かんばた)」や「倭文布(しずり)」と呼ばれる在来の織物があったことが『日本書紀』や『万葉集』から知れる。「綺」は多色の色糸を合わせた杢糸で緯縞をつくり出し、「倭文布」はすなわち「筋織」で、縞織物の類だったらしい。しかし奈良時代以前の縞織物は遣っておらず、正倉院に縞模様をみせる織物がいくつか蔵されているだけである。しかも"縞"の帯の内側に花鳥とか獅子噛文が織り込まれているから、単純な「縞」柄のものとなると《経帙》や《綺》だけということになる。
平安貴族は縞柄を好まなかったから、有職織物に縞はほとんど登場しない。経(たて)に下りる二本の曲線が膨らんだり萎んだりしてできる立涌(たてわく)文様も一種の筋条デザインといえなくもないが、その内側に充填された牡丹や菊や雲とセットで見せる文様だから、簡潔な直線だけで構成する縞とは別物である。当時の絵巻物にときどき大まかな緯(よこ)縞の着物を着た下級役人や庶民が描かれているけれど、経(たて)縞は見当たらず、それは鎌倉時代でも同じであった。だから室町時代に明から「間道(かんどう)」が、桃山時代に奥島=インドや南方諸国から「唐桟(とうざん)」がもたらされたとき、それらのシンプルで美しい経縞柄は、まさに日本人にとって刺激的な文様のニューウェイヴとなった。しかもそれまでの日本には定着していなかった木綿という素材の優しい肌ざわりとカラフルな色。エキゾティシズムをそそるたくさんの要素が「縞」に織り込まれていたのである。

*


このようになにかをきっかけに身近にあるものをより知ることは面白いことであり、楽しいことです。今年になって僕がよく口にする「絨毯の向こう側」への入り口がぼんやりとではありますが見えてきたような気がしています。お会いしたとき、そこに通路が開かれると僕が感じたとき、限定された時間と空間のなかで話すことができるかもしれません。失敗するかもしれませんけどね。

つづく
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by charsuq | 2010-11-16 22:38 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

タジク族の刺繍に見る八角星

 こんな八角星もあるんですね。絨毯やキリムではなく、布に刺繍をしているものです。
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【参考文献_写真引用】 Traditional Textiles of Central Asia by Janet Harvey
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by charsuq | 2008-05-04 00:40 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

インカの染織に見る八角星

 夜空に輝く星を五角形と思ったことはないけど、小さい頃から星を描くときはなぜか「☆」の五角形だった。なんとなくキラッとする感じがあるからか星は五角形で描くものなんだと思い込んでいた。
 しかし、絨毯に描かれるのは八角星であることが多い。英語で「eight-pointed star」と呼ばれているが、織り手が星を意識したのか、僕はよくわからない。もしかしたら、花を描いていてそれが抽象化されこのようなかたちになったことも考えられる。これについては、これからも意識してみていきたい。
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 この前の展示会である人から「プレ・インカの染織」の図録をもらった。フォルクローレを流していたから(?)か、「今度、天野博物館に行くんですよ(いや、行きたいんだったっけ)」というおばさんもいて、少しは南アメリカ大陸を思うことがあった。せっかくいただいた本もしばらくは本棚に入れたままだったが、昨日の夜に引っぱりだしてパラパラと写真をながめていた。文様がとても楽しくて、特にさまざまな鳥文様に魅せられた。そして、この八角星を見つけた。
 図録ではプレインカ時代に見られないこの八角星がインカ時代に描かれはじめる。独自の染織文化を発展させたアンデスの地で八角星の文様がどのような経緯で描かれるようになったのかいまのところ僕にはよくわからない。絨毯と同じように星と意識して織ったわけではないのかもしれない。

 西アジアとアンデスの織物に見る八角星。ペンではひどく書きにくい星であるが、遠く離れたこのふたつの地域でこのかたちが好まれたのはなにか特別な理由があるのだろうか。
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【参考文献_写真引用】 「天野博物館所蔵品による プレ・インカの染織」  京都国立近代美術館
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by charsuq | 2008-04-27 22:32 | 染織と民族衣装 | Comments(2)

予告8 「西アジアの絨毯とキリム展」 in 奈良

 展示会の日時、場所はここ

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□ 展示会に持っていくもの その6 □
   刺繍布(スザニ)
   アフガニスタン北部?ウズベキスタン?
   ウズベク・ラカイ
   年代 60年前?
   金額 当日ギャラリーでお確かめください
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by charsuq | 2008-03-16 13:00 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

予告6 「西アジアの絨毯とキリム展」 in 奈良

 展示会の日時、場所はここ
 アーモンドのような形の中に描かれているデザインはこのようにバリエーションに富む。夫を想う妻の手仕事の丹念さに僕はただただ敬服するばかりだ。
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□ 展示会に持っていくもの その4 □
   アフガニスタン・カンダハール
   パシュトゥン族 男性用ショール
   布地 綿 / 刺繍糸 絹
   金額 48,000円
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by charsuq | 2008-03-11 21:27 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

「染と織の鑑賞基礎知識」 至文堂

 会社帰りにときどき立ち寄る古本屋で小笠原小枝さんの「染と織の鑑賞基礎知識」を見つけて購入した。ほとんど新品の定価3780円のこの本が2300円だった。

 『染と織は最も私たちの身近にある工芸である。しかし存外その素材や工程には無頓着のまま「色が綺麗」とか「文様が美しい」といった感想で終わってしまう。染織品を鑑賞する時、「なぜ」そのような織文様や染模様の表現が可能なのか、その歴史はどれくらい遡るのか、その技法の広がりはどれくらいあるのか。そのような疑問に少しでも応えられればよいと思っている。「衣」は人間特有の産物である。人は古来、美しく装うために染や織にさまざまな工夫を重ねてきた。日本の染織品にみる染や織の技を、今もアジアに残る素朴な技法と重ね合わせながら、染と織の「なぜ」を探る旅に皆様を誘えれば幸いである。』 序文より。

 
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by charsuq | 2007-12-13 22:05 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

スンバ島のサロン 2-2

 これが裏面。どちらを前にして着用するのかよくわからないが・・・。
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 前面とよく似た人型の文様であるが違うところも少しある。
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 これは男根でしょう。前面は女陰のようなので、裏表で男女の人が描かれているようだ。
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 しかし、この脇から垂れ下がっているものは何なのだろう。現地のディーラーに聞いてもよくわからなかった。
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 人の顔を目や口を描かずに六角形の文様を用いているのは奇妙だが、それがなんとも言えない不思議な力となって愛着を感じる。
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 僕は前に紹介したものと合わせて二枚しか貝殻刺繍のスンバ島サロンを持っていないが、もっと素敵なものを所蔵されている方がいれば是非見せていただきたいと思っています。
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by charsuq | 2007-09-17 10:19 | 染織と民族衣装 | Comments(0)

スンバ島のサロン 2-1

 バリ島で買ったもう一枚のスンバ島の女性用腰衣(サロン)がこれ。前回紹介したサロンに比べて長く、虎と龍の部分は個人的にはいらなかったなあと思っている。
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 アップで見てみよう。
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 龍と虎の文様はその織り方が異なることが裏地からもわかるでしょう。
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 人型の文様を見てみよう。
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 股間部分の描き方からこれは女性であることがわかる。脇と股下に描かれている虫のようなものが何を意味するのかわからない。空間を埋めるために身近なものを描いたのだろうか、それとも何らかの意味を持っているのだろうか。
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 布は古いものではないが、貝やビーズはそれよりも古いものだ。前の布から貝を外して新しいものに縫いなおしたのだろうか。
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 バリ島滞在中にスンバ島の貝を刺したサロンは以前に紹介したものとこれの二枚を見ただけだった。布がわりと新しいため全体的に少し趣きがかける気がしているが、貝は貴重なものと聞くので両面を同じような文様を刺したこのサロンはまずまずのものと思う。
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 次回はこのサロンの裏面を紹介する。
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by charsuq | 2007-09-16 09:53 | 染織と民族衣装 | Comments(0)


いつか また どこかで


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